やよいさん(70歳代)サンパウロ

略歴

◆愛知県出身

◆結婚を機に21歳で渡伯

◆夫婦で日本食品の製造・販売

家族

◆夫・・・1世(単身渡伯)

◆長男・・・50歳代

       (日本在住)

◆長女・・・50歳代

        (同居)

◆次男・・・40歳代

     (アメリカ在住)

◆三男・・・40歳代

     (アメリカ在住)

◆孫・・・8名 6~23歳

子供の略歴

◆長男

11歳ごろ日本に1か月滞在

ブラジルの大学卒→食品関連会社勤務→日本支社社長

◆長女

日本の中学へ少しの間通う

ブラジルの大学卒→医者

◆次男

イギリスへホームステイ

日本の外語専門卒→アメリカの大学卒→アメリカ企業

◆三男

ブラジルの大学卒→アメリカ企業


日本語教育

◆教育ママになれなかった

・仕事が忙しかったせいで、私自身が熱心に教えてはやれなかったが、それはそれで良かったと思う

・なぜなら、おかれた環境が良い影響を与えてくれた

◆よい環境のなかで

・一世の奥さんが「息子に教えるので一緒にどうぞ」と誘ってくれ、2人ほどの方にそれぞれ小6年まで読み書きを教わった

・その中で、とくに日記を書く習慣をつけてもらったのは良かったと思う

・商売柄、日系人の地域に出向くのでその際、夫が子供たちを連れ手伝わせながら、地域の方とのふれあいを通し、自然と日本語や慣習を肌で感じさせられた

・読み書きについては、三男以外は社会人になってからそれなりに勉強したようなので出来ると思う(三男は小4程度)

◆家庭では日本語のみ

・親子はもちろん、兄弟同志でも日本語で

・大きくなると兄弟ケンカもポルトガル語になってくる

そんな時も、「日本語でケンカしなさい!」と言ってたしなめていた

◆子供向けの本

・まず、絵本の読み聞かせからはじめて、抑揚をつけたりと、飽きさせずに楽しませるよう聞かせた

 ・月刊誌を2冊ほど定期購読させていた

ぞれぞれ好きな個所を後になっても読み返すなど、興味を持たせるのに効果的だったと思う

◆6歳の孫

・同居する孫娘と日本語で心おきなく会話ができるのはこの上ない幸せ

・ママである娘が、「家では絶対、日本語だけにして欲しい」と私以上に日本語にこだわって生活をさせている

・絵本はもちろん、DVDで日本語のアニメなどをたくさん見せているが、孫はどんどん覚えていった

子育てで重視した点

◆必要以上に手をかけない!

これを夫と共に信条として、なるべく子供のすることに手出しをしないよう心掛けた

◆よく聞いてやる

・どんなに忙しくしていても、話だけはよくよく聞いてあげたつもり

・とくに夕食後は、みんなでワイワイしながらよく話した

◆しつけはあまり意識せずに

日本とブラジルの文化を比べずに、のびのびさせていたと思う(比べると長短が見えて意識してしまうから)

◆約束ごと

「隠し事をしない」それが我が家のルール

夫は元々ざっくばらんな性格で、思春期の難しであろう時期にでも、言いにくいことでも言葉にしてちゃんと伝えてくれたせいか、スムーズに乗り切れた

◆夫のハナシ

・日系人の家庭で聞いてきた話題、「〇〇君は▲▲大学へ進学したらしい」などが、大いに子供たちに刺激を与えた

・「勉強か仕事かどっちか選べ!」とよく言っていたせいか、子供なりに進路を決めるのは早く、自分でその道も切り開いてくれた

◆海外生活を味わう

・子供が行きたいと望むところへ行かせてやった

短くとも海外生活を体験させることは、大人になる過程で良い効果があったように思う

・好奇心や自立をうながしたりと、いろんな意味でよい刺激を受けて帰ってきた

・そのなかで、言語を習得することの素晴らしさ=言語を通してその国の文化を知り、人を知ることができ、自分自身の人生の幅が広がることを知ってくれた

・お蔭で学習意欲も増した


ブラジルで子育てした良い点

◆おおらかに

日本には、特有の因習にとらわれたものの見方があるように思うが、その点、ブラジルはのびのびと解放された雰囲気があって、それが育てやすかったように思う

◆後悔はなし

共働きしながら、子供にもたくさん手伝わせて、忙しかったけれど、「精一杯やった!」と、それだけです

子供に言わせればいろいろ不満はあったかもしれないが、親としてその時、出来ることをやったのだから、それで良かったのだろうと思っている

◆世界で活躍して欲しい

とくに夫は、世界の人々の役に立てる人間に育って欲しいという願いがあったが、言語のことにしても幼少時から2カ国語を学べる環境にあったことは良かったと思う


応援メッセージ

◆まずは、ママさんの方が何にでも興味をもって社会につながりながら、ハツラツと生きてください。

そんなママを見ているだけで自然にお子さんはのびのびと育つと思います。


取材日/2014/12/おばら

質問コーナー

★仕方ない?

娘が小学校に入ってから、二世の夫はポルトガル語でしか話しかけなくなり、パパとはポルトガル語、ママとは日本語、と完全に区別して話すようになった娘。 そのせい?か、娘の日本語に対する興味がかなり薄れているように思いますが、仕方ないでしょうか?


やよい先輩からのアドバイス!

ご主人と話し合われるのが一番ですが、少なくともママさんが家庭内は日本語で!と決心したならそれを貫き通した方がいいと思いますよ。まずは、話す(会話)が大事です。もし、お子さんが難しいと思うことがあれば、かみ砕いたり、別の言葉を使ったりなど、面倒がらずに教えてあげください。それは、ママさんの為だけではなく、いずれ社会に飛び立つお子さんにとっても良いことにつながると、私は信じています。

これは、ポルトガル語も出来るある方の話ですが、高校生になるまで日本語だけで会話していた息子さんにある時、勉強で分からないことを聞かれたとき、思わずポルトガル語で答えたそうです。その次の日から息子さんはいっさい日本語で話しかけてこなくなり、以来日本語を忘れてしまったそうです。その方はその時の対応をとても後悔していると言っていました。

ウチもそうでしたが、ママとはともかく、兄弟同士の会話はポルトガル語が当たり前になってきます。「仕方がないこと」とあきらめないで、その都度、「日本語を使ってちょうだい」などと促してやり、せっかく習得した言語を手放すことのないようにしてあげて、将来の道を広げてあげてください。

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